急に書きたくなったから、
「あの日」のことを書き出してみたいと思う。
全てが消えて、全てが生まれ変わったあの日のこと。
——
この話は、うまく言語化できない上に、
ちょっと怪しまれるのであまり書いてこなかったのですが、
1年半以上たった今、あの経験をやっと
形にしてお披露目できそうなので、書き出してみたいと思います。
かなりスピリチュアルな内容ですが、
お好きな方だけ、お付き合いください(笑)
————-
2012年の6月。
私はその時やっていた潜在意識の仕事や、セッション、
カウンセリングという立場としての活動に違和感を感じ、
もうこれほど苦しいことはないだろうと思えるくらい、
金銭的にも、体力的にも、精神的にも
しんどい時期を送っていました。
思えば、毎年この時期はそういう波がやってくるのですが、
この時は、狭いワンルームにあるシングルベッドに一人体育座りをし、
ひとり膝を抱えて泣いたり、したものです。
またある日は髪の毛を掴んで猛烈に発狂しそうになり、
必死になってタロットカードに助けを求める、なんていう
今思い出すと恥ずかしいシーンさえもあります。
だから、私は決断しました。
この仕事を、やめよう、と。
—
そこで、思い切ってやめる前に
海外に逃亡しよう、と思ってイギリスや、パリ、
ベルギーやドイツを回るヨーロッパの旅を計画しました。
それに行ったのが2012年の夏。
最初についたのはロンドン。
そこについたのもつかの間のことでした。
私はある大きなミスをしたことに気付きます。
…く、クレジットカードの暗証番号が分からない!
そうなんです。
海外ではサインでは認証されず、必ず暗証番号が必要なのですが、
ほとんどカードを使わない上に、暗証番号なんて覚えていなかった私は、
海外に到着した3日後くらいに、
カードの使用停止をくらってしまったのです。
焦りますよね。
焦りまくる訳です。
だって、現金がないのですから。
これからどうやって暮らせと?どうやってここで生き延びていけと?
本当に心の底から「死」の恐怖がやってきました。
今考えると大げさなことなんです。
だって、平和な国ですし、いざとなれば、国に帰れば済むことで(笑
でも、その時の私にとってこの事件は
とてつもなく大きいことだったのです。
—
その時、私にはある大きな喪失感がありました。
クレジットカードの事件が引き金となって
私の中の孤独や寂しさ、喪失感や絶望感が
一気に押し寄せてきました。
周りを見ても、知り合いはいない。
話せるはずの英語も出てこない。
泊まったゲストハウスの人たちも、
全員が敵に見える。喋れない。
関わりたくない。
楽しそうにしている人たちがとても嫌。
お金もない。どうしたらいいかわからない。
帰りたい。帰りたい。帰りたい。
…と、その時です。
「はて、私はどこに帰るのだろう?」
そんな疑問が浮かびました。
途端に、自分の存在そのものがあやふやになったのです。
京都に帰る?誰が待ってる?お客さんだって、
別に待ってないし?親も側にはいないし?
実家に帰っていっても、本当に待っているって誰がわかる?
「誰も、私の帰りを待っていないのかもしれない」
そう、本気で思いました。
—
お金がないから、とりあえず母の友人で
ロンドンにいるおばさんにお金をかりることになります。
ただ、それもまだあと3日後とかのこと。
それまでの間、まともにご飯を食べることすら怖い。
買い物に行っても、お金が気になって何も買えずに、
30分うろうろした結果、クッキーとお水だけでお昼を済ませる…みたいな。
本当に、自分がどこかにいっちゃうんじゃないかという不安が強くて、
ただひたすら、早く寝て、早く起きて、誰もいない公園に、
ずっといたり、してました。
—-
その後です。
おばさんからお金を借りて、本当にほっとして、
生きている心地が少し復活したとき、
ロンドンを離れる最終日がやってきました。
相変わらず、不安はあれど、前よりもまだよくなっていたので、
せっかくだから、お土産やさんにでもいこう、と思い立ち
ロンドンの大型デパートに行ったのです。
そこで見た、たくさんのお菓子やお土産品。
見ているだけで目がくらむほどの量があります。
普通なら、ワクワクして物色しますよね。
…でもわたしは、あのお土産に、
再び猛烈なパンチを喰らった気持ちになりました。
「わたし、誰にお土産買うの?」
という声が自分から聞こえてきて、
止まってしまったのです。
今の私なら、あの人、この人、たくさん必要だわ!と思いますが、
あの頃の私は、まだまだ世界に自分を閉ざしていて、
必死に自分と他人との関わりをなくしていた時期だったのです。
意識していなかったにしろ、
自分がこんなにも世界を拒絶していたということに
あぜんとしました・・・。
誰一人、お土産を買う人が思い浮かばない。
誰一人、私のお土産を受け取ってくれる人がいない。
本当に、幻滅しました。自分と世界に幻滅しました。
泣きそうになりながら、デパートを出て。
その日は結局、何もせず何も買わず、
家なき子みたいに街をうろうろしたのです.
—
でも、ふと気持ちが楽になった時。
「やっぱり、一つ二つでいいから、買っていこう。
誰かはいるよ、誰かには渡そう」
気を取り直してデパートに戻ると、
なんと5分前に閉店していました。
…伝わりますでしょうか、この時の落胆といったらなんの。
浮いた気持ちがまた更に深く沈み。
私にとっては、とんでもないロンドンの思い出となったのです。
—
話を少し割愛すると、
そのあとパリ、ベルギーと移動し、ドイツに行きますが、
パリのゲストハウスでも、ベルギーのゲストハウスでも、
どこにいても自分はひとりぼっちなんだ、
という気持ちがとっても強く、
毎日、むなしさと戦っていました。
でもなんとか旅を続けなければいけなかった。
帰る所がない、帰っていく居場所がない、と
本気で思っていたから。
どこかに帰ることすら怖くて、
ただただ、ずっと旅をしていたかった。
—
そんな時、あるご縁でドイツにいるお友達が出来ます。
その彼と出会い、一緒に楽しくビールを飲んだりして、
久しぶりに楽しい時間を過ごしました。
帰り際に、次の日も遊びにおいでよ、と言われたので、
番号も交換し、次の日も合う約束をして別れたのです。
私にとっては、これがどんなに救いだったか。
どんなに嬉しくて、どんなに暖かかったか。
とても嬉しい一晩でした。
—
ですが、その次の日。
いくら待っても、彼からは連絡がきません。
待ちきれずに、彼の街まで行ってしまいますが、
ネットも繋がらないので、とりあえずネットが繋がるカフェの横に居座りながら、
連絡を待ちます。
電話をしても、出ません。
…私は再び、深い深い孤独感や焦りに沈んでいきました。
結局、彼は前の夜に酔っぱらってしまって
忘れてしまっただけだったのですが(笑
なんという二度目の大きい波でしょうか。
もう二度と人なんかと会うもんか!と本気で思います。
一度開きかけた扉が、また完全に、
いや、前よりも強く、閉ざされてしまいました。
—
さて、ここからです。
ここから、奇跡というようなことが起きます。
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