私たちの中には、物心ついた時から
様々な素材を組み合わせて
調理してくれる「コックさん」がいます。
物事を認識したり、「こういう意味なのね」と
予測したり、あるいは自分の中で判断をすることができるのは、
私たちの中にキッチンがあり、そこにはコックさんがいるからなんです。
さて、コックさん。
わたしたちは小さい時から様々な経験を通してきて
このコックさんは大人になると一流になります。
色々な調理方法を練習し、実践し、
最終的にコックさんは、「自分はイタリアンである」「自分はフレンチである」「自分は中華である」
というように、自分流と言いますか、
「コックさんなりの調理方法」みたいなのを確立していきました。
これが確立された時点で、
わたしたちの「自我」は
はっきりします。
「考え方」や「基本的な価値観」そして、
「現実をどのように見るのか(調理するのか)」が
決まるということですね。
コックさんが「よし、オレはこれ!」となる感じ。
いつもイタリアン、ずっとイタリアン、
20年間修行して来て、イタリアンばっかり作って来たコックさんに、
いきなり「中華を作れ」と言われても、
イタリアン一筋だったコックさんは、
とまどいます。
ですが、オーナーであるわたしたちの声を
無視するわけにはいきませんから、
コックさんなりに「中華」を作ります。
最初の方は、なんだか
『イタリアン調』の中華が出てきますので
なんとなく
「微妙に、まずい」のです。(笑)
この微妙にまずい、ってのがとてもポイントで、
ここでコックさんを「褒めるか」「けなすか」
が、別れ道でもあるということなんですね。
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